至宝をうつす

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先週、京都文化博物館で「至宝をうつすー文化財写真とコロタイプ複製のあゆみ」展を観てきた。

日本には、「日本書紀」や「源氏物語」など先人達が「写本」として伝えられてきた文化財の歴史がある。
近代以降は、写真技術の導入により、写真による複製物の写本へと移行した。

写真展などで、時々コロタイプというキャプションを目にする。
詳しい技法はわからないままだったが、今回その謎が解けた。
コロタイプ印刷機の実物(大きい!)や、ビデオによる詳しい解説もあったからだ。
コロタイプは、撮影された写真をそのまま原本とする印刷技法。
顔料インキの保存性の高さや自然な濃淡などに優れ、文化財の複製に用いられてきたのだという。

法隆寺金堂壁画は昭和24年の火災で焼失したが、
以前に撮影していたコロタイプ版で再現。
原寸大12面が展示されている。

又、高松塚古墳発掘直後の撮影の様子や、壁画4面の原寸大カラー複製も。
撮影はこんな風に行われたのかと驚き。

地味なようで、とても興味深い展覧会だった。

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