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8月 2013 の話題履歴

かくれ里

白洲正子の「かくれ里」いずれと置いていた。
家に篭ることになったこの機会に読むことができた。

ハイソサエティな人だけど、豪快でサッパリしていて、それでいて繊細。
のっけから、いきなり禁止用語が出てきて、ちょっとびっくり。
これが出版されたのは1971年。
その頃は用語にうるさくなかったのか。
いや、白洲さんが言うと、そんなことは小さい事に思えてしまうのだ。

私の買ったのは、2011年、生誕100年記念の愛蔵版。
綺麗な装丁である。

尽きぬ探究心のおもむくままに、日本の知られざる場所へと、ずんずんと分け入っていく。
こちらまで、一緒に歩いてるよう。

『秘境と呼ぶほど人里離れた山奥ではなく、ほんのちょっと街道筋からそれた所に、今でも「かくれ里」の名にふさわしいような、ひっそりとした真空地帯があり、そういう所を歩くのが、私は好きなのである』

『土地の人たちには有名でも、私たちの知らない所は無数にある。何もわざわざ人ごみの中を、京都や奈良の観光寺院を見物する必要はない。』

昨年行った湖北 菅浦。
そちらの章があるが、書かれた40年前と、ほとんど変わりないのではないか。
読んだ限り、見たそのままである。
あの場所に立った時の神秘的な体験が忘れられない。
だから、白洲さんの感動がわかるのだ。
そんな(かくれ里)が日本各地にある。
いつか訪ねたいと切に思う。

『日本には美しい自然が多すぎて、自然を大切にする気持を失ったのであろうか。いや、そうではあるまい。彼らが見ているのは「天然記念物」で、昔の人が愛したりおそれたりした自然ではない。この報酬はいつの日か受けずにはいられまい。すでにそういうきざしは方々に現われている』

2013年8月27日火曜日 | chako |


新富裕層と国家

18日(日)のNHKスペシャルは、新富裕層の実態を追ったドキュメンタリーだった。

シンガポールで、フェラーリが何台も連なり、轟音をたてて行く先はマレーシア。
千円余りのラーメンを食べに来たという。
にわかには信じられない話だ。
彼らはフェラーリの愛好家達のグループで、いずれも巨額の資産を持つ新富裕層と呼ばれる人々。
その中で、ただ一人の日本人。
彼は個人トレイダーで、税金が日本の2分の1以下のシンガポールに移住してきた。

「リッチスタン」は(資産100万ドル以上の新富裕層達が集まる仮想国家」を意味する。
ウォールストリート・ジャーナル紙などで、富裕層を専門に取材してきた記者の造語である。
若く勤勉な新富裕層は、世界に1100万人、この10年で5割増したという。
やはり個人トレイダーの48歳の米国人。
家族と移住したのは、富裕層の税の優遇政策をすすめるプエルトリコ。
プールの先に海が望める豪奢な住まいで、株で大儲けし笑いが止まらない姿。
なんとも、嫌な気持ち。

国内に留まる富裕層(国外では仕事が出来ない人々)に対して、増税案が出ているアメリカ。
これに対して、彼らは反発を強めている。
「懸命に働いている私たちが、なんで怠け者の為に税金を払わなくてはいけないんだ!」
日本でも、この考えは同じだろうな。

あー、なんか、精神の貧しさを感じる。
いくらお金があっても、フェラーリでラーメンなんてあほらしい!
創造性のかけらもない!

2013年8月22日木曜日 | chako |


オバマ批判

昨日の新聞に「マット・デイモン氏 オバマ氏批判に転身」との見出しの記事が載っていた。
ロサンゼルスで、朝日新聞の単独インタビューに答えたもの。
大統領選の票集めにも貢献した彼は、今オバマ批判に転じている。
「裏切られた気持ち」というが。

イエメンで、アルカイダ指導者と息子三人を無人機攻撃で殺害した件。
彼らが米国籍を持っていたが、裁判もなく処刑されたとして市民団体からの批判がある。

米国家安全保障局によるネット上の個人情報収集(スノーデン氏の内部告発で話題)の件。

そして、核軍縮を進めてほしい、世界には核兵器が多過ぎると。

私が一番興味深いと思ったのが、アメリカの格差社会についてだ。
彼の主演映画「エリジウム」(9月公開予定)に絡めて。
2154年、天空の理想郷に住む富裕層と、荒廃した地上の究極の格差社会を描く。

今の米国も、ウオール街では犯罪的な金儲けがなされていると人々の不満が募る。
格差社会が広がる危険な状態だと。
「富裕層に増税すべきだ」というのが彼の持論。

別に彼のファンでもないし、ちゃっかり新作映画の宣伝も兼ねてのインタビューだろう。
しかし、先日見たテレビが思い出されて。
それは「新富裕層」なる存在の話。

2013年8月22日木曜日 | chako |


「作家の旅」

これも、ゆっくり読もうと積んでいた。
これこそ、夏休みらしい本かもしれない。
コロナ・ブックスの作家シリーズの一冊。
小泉八雲ーギリシャ〜アイルランド〜マルチィニック島〜松江〜熊本。
萩原朔太郎ー広瀬川・利根川(群馬県)
林 芙美子ーパリ
村松 梢風ー上海

寺山修司ー世界旅行
山口 瞳ー競馬場
田中 小実昌ーバスの旅
吉田健一ー冬の金沢
山頭火ー漂白

宮脇 檀ー観察・実測
竹中 労ー沖縄
春日井 健ー欧州
堀内誠一ーパリを拠点に

澁澤龍彦ー書斎からフローラの旅へ
須賀敦子ー歩くイタリア

それぞれの作家の故郷や旅の足跡を巡る。
ビジュアル本なので、ベラベラとページをめくるだけでも楽しい。
作家自身の文に加えて、ゆかりの人達のエッセイ。
作家達の知らなかった一面。
旅は、間違いなく彼らの魂に豊饒なる精神を与えたとわかる。

2013年8月19日月曜日 | chako |


保莉(たもり)

足の甲を骨折して一ヶ月。
やっとギブスが取れて、そろりそろりと歩けるようになった。
家から数分の「保莉(たもり)」さんへ飲みに出かけた。
お盆で魚屋が休みだということと、この猛暑。
「いい魚がなくて…」と、申し訳なさそうなご主人。

鱧の酒盗(しゅとう)風味。
酒盗は鰹の内蔵の塩漬けで、鱧の落としに風味浸けした一品。
蛸の子、キスの雲丹干し。

穴子の湯葉巻きあぶり焦がしーいんげん沿え。
お刺身の鮑、コリコリとした食感がたまらない。
松茸の鱧巻き揚げ(アスパラを添えて)ー写真に撮る前に食べてしまった。
熟成塩雲丹(洋食で言えば、さしずめ上等なチーズのように濃厚!)

ご主人は恐縮されるが、技が光るお料理ばかり。
いつも、大満足なのである。
ごちそうさまでした!

2013年8月17日土曜日 | chako |


「昭和の洋食 平成のカフェ飯ー家庭料理の80年」

酷暑の今年、ゆっくりと夏休み。
積んでる本を片付けよう。
「昭和の洋食 平成のカフェ飯ー家庭料理の80年」を読み終えた。
著者は、阿古真理という人で、食を中心にルポする生活史研究家だという。

ドラマ、映画、小説、マンガ、雑誌などのメディアなどを切り口に、この80年の食を考察する。
昭和初期から現在に至るまで、メディアに登場する家庭料理の変遷を辿ると、その時代の流行が解る。
そこから時の精神が読み取れて、興味深い。

昭和初期、実は都会を中心に洋食が広まった時代。
ドラマ「カーネーション」でも、大坂の喫茶店や、神戸山手(ハイカラな祖父母の家)の洋食が出てくる。

戦後70年の間に、和食中心の食卓は、大きく変わった。
1953年に始まったテレビの本放送。
プロレスと共に人気だったのが料理番組だそう。
NHKの「きょうの料理」が始まったのが1957年。
その頃から登場したのがプロの料理人と、料理研究家といわれる人達。
彼女らは、外国暮らしを経験した華麗なるセレブ。

それから経済発展を遂げた日本は、和・洋・中華・エスニックと、豊かな食を楽しむ環境となっていく。
女性の社会進出に伴い、インスタント食品や外食ブーム。
「料理の鉄人」やグルメ番組。

「美味しんぼ」や「クッキングパバ」など、男が料理を楽しむ時代へ。

2000年に入ると、食品偽装や中国餃子事件などが起こり、食の安全性が問われ始めた。
スローフードやアグリツーリズム、オーガニック。
カフェも次々に出現。
ドラマ「すいか」や映画「かもめ食堂」が人気に。
これなども、スローライフの流れだろう。
よしながふみのマンガ「きのう何 食べた?」は男二人の生活を描くが、半分は料理のシーン。

面白いのは、これらは血縁や婚姻関係のない者達の物語ということ。
踏み込みすぎない距離感を持ちながら共に暮らす。
その中で、食卓が大きな位置を占めている。
どれも、美味しそう!

一方で家族であっても、バラバラに食事する個食や、貧困やネグレクトで満足な食事を与えられない子供たち。
食を見ていくと、家族ってなんなんだろう?と考えてしまう。

しかし、料理が女の義務だった時代から解放されて、自由に楽しむことができる幸せに感謝。

2013年8月14日水曜日 | chako |


木皿 泉 の小説

木皿 泉の始めての小説「昨夜のカレー、明日のパン」
彼らは夫婦共同で執筆している脚本家だ。
「すいか」や「野ブタ。をプロデュース」などのドラマで高い評価を受けている。
「すいか」は今も伝説のドラマで、熱狂的なファンがいる。
私も、当時(2003)の興奮が懐かしい。

春に買った文藝別冊「木皿 泉ー物語る夫婦の脚本と小説」の中に未発表小説が載っていた。
へえー、面白いと思っていたら、朝日新聞に小説の書評が。
はやく読みたい!
ネットで注文し、すぐさま読んだ。

ふーっ!連続ドラマを見たような読後感。
ちょっと風変わりな登場人物たちが織り成す、おかしなエピソード。
泣いて笑って怒って、過ぎて行く日常。
大きな喪失感を抱えながらも、大袈裟に騒がない。
そこがいい。

それぞれのエピソードの中に、思わず唸る言葉がある。
会話が多くていきいきと躍動しているのは、脚本家ならでは。

「逃げられないようにする呪文があるのなら、それを解き放つ呪文も、この世には同じ数だけあると思うんだけどねぇ」

「長く同居を続けていると、おのずとルールができてくるものである。見えていても見えてなかったことにする、ということはとても重要なことなのであった。だから、小さいことを見つけては、「ね、見た?見た?」と擦り寄っできて、見たことの一切をしゃべり切らないと気のすまない女友達は苦手だった。」

「傘をさして歩いていると、気持ちが落ち着く。自分の傘に雨粒がはねる音が美しく、そう思うのは、もしかして自分だけかもしれないと思った。しかし、傘の中に一人でいると、そのことを恥じる必要もない。自分の場所がはっきりとわかる雨の日が好きだった。」

決して難しい言葉は使わない優しい語り口だが、内容はリベラル。
プライベートでは夫の和泉さんが数年前に病気で倒れ、車椅子の生活になったり、いろいろ大変なことも。

その様子は2011年のBSプレミアム「しあわせのカタチー脚本家・木皿 泉創作の世界」に詳しい。
これは彼らを主人公にしたドラマと実際の生活ぶりを撮ったドキュメンタリーをリンクした 番組。

彼らのノンビリとした明るさに、とても好感が持てた。
ずっと神戸に暮らし、仕事の依頼はそこまで出向かねばならない。
とにかく、自分達のスタイルは変えないのだ。

彼女が一人になりたい時に行く高台のアパート。
そこからは、神戸の街が一望できる。
「この眺めを手放したくなくて、ずっと借りてるんですよね」
あー、わかる!と、ますます親近感を抱いたのである。

2013年8月 6日火曜日 | chako |


沓掛時次郎

なんて粋な男。市川雷蔵。
大スターなんだろうが、映画を見たことはなかった。
家から出られないので、BSでいいのがあると見ている。

1日のお昼に見た「沓掛時次郎」
渡世ものだか、なにか上品さを感じる。
雷蔵のキリリとしたたたずまい。
スターとは、こういう人を指すんだなと納得。

立ちまわりや話しの運びにも無駄がなくて、よく出来ている。
ラストに泣ける。これは名作。
見て良かった!

最近、昔の日本映画に注目している。
みなみ会館で、毎年のように市川雷蔵特集をやっていたのは、こういうことだったんですね。

2013年8月 2日金曜日 | chako |